当院での施術例

当院での不妊施術例です。

プライバシーの問題もあり 施術後五年以上経過した例を挙げております。

基礎体温表などは本人のものですが、プライバシーに配慮し 部分的に加工しています。

これらの施術例が 全ての人に効果があるとは限りませんことをご了承ください。参考にしていただくと幸いです。

アイコンクリックで鍼灸コンパス掲載の症例を見ることができます。⇒

21.腰椎椎間板ヘルニアがある方の不妊-妊娠例1

29歳 初産 病院通院歴 2年

220128

来院のきっかけ: 結婚して約二年 タイミング法や人工授精行うも化学的流産1xのみ。
その後子宮内膜炎やポリープの手術したのをきっかけに不妊専門医に転院。今後体外受精する予定。
10代で腰椎4,5番のヘルニアの手術既往歴あり。現在も腰痛あり特に疲労時に強く感じる。
膝裏に神経痛のような痛みが走ることがある。
その際鍼灸も体験しており 両方の治療を受けたいとの希望あり。
 
症状: 不妊に関しては卵巣年齢は年相応。治療して子宮内のポリープや炎症は治癒 卵巣卵管には問題ない。一部ホルモン剤で吐気などの症状はありました。
転院してから 体外受精のについて心配や不安を感じており ここ最近梅核気(喉の閉そく感と 痰が切れない感じ)が出現してきたとのこと。
下半身のむくみと冷えが常時あり。後鼻漏が気になる。夜間寝た気がしない、起きてもだるさが続く
ヘルニアは腰の前後屈が30°くらいまでしか曲げられない。(怖くて曲げられない) L4,5 S1間癒着?
 
方針: 1不妊治療の方針に従い 子宮などにアプローチしていく。
    2.ヘルニアに伴う腰の症状の緩和
    3.自律神経を整える(不眠 冷え 後鼻漏 胃腸症状など)
 
経過: 一診 まずは腰痛と冷え症のための施術をメインとした。腰と臀部 足にあるツボを主に使い灸も使用しました。
梅核気に関しては背中と腕のツボを使用しました。
二診~十診 梅核気は消失 後鼻漏も寒暖差のある時のみとなりました。腰痛は改善と悪化(ふとした拍子にぎっくり腰様になる)を繰り返している状態。
      太腿の裏の神経痛に関しては
十一診~三十二診 採卵~移植に関するツボ使用 腰痛は大きな変化はなし。足の冷えやむくみに関してはかなり気にならなくなっている。  
 
結果: IVF-ETで一回目で妊娠 
   妊娠後も 腰痛フォローするが 腰は悪化はせずともすっきりとはしない状態であったが日常生活に問題はない。腰以外の運動や育児時の姿勢についてお話する。
   ベルトは骨盤のゆるみは無く 着けると却って腰痛出現のため適応外。
   妊娠中期に里帰りし、整形外科もある総合病院で経腟分娩したとの報告を受けました。
 
まとめ: 不妊治療や他の症状などに関しては改善 または消失まで見られたが 
    ヘルニアに関しては 体重増加 子宮の増大に伴う重心バランスの変化でも悪化はせず経腟分娩までできたことは一定の効果があったと評価しております。
    産後落ち着いてから整形で状況確認してもらうことが必要かと思われました。

20 夫の精子無力症(運動率の低下) 

 夫40歳後半 精子無力症  AIH

20110128

当院への妻の送迎のついでとして腰痛で来院(妻より、精子の事には触れないようにして治療の依頼あり)椅子に座りっぱなしの仕事のため腰痛は常時あり。

 来院時  洗浄前  洗浄後  正常値
 運動精子  500万  2100万  1000万以上
 運動率  11.6  41.2  50%以上
 直進率  2.3  23.5  25%以上

精子の数や量は問題ないが洗浄前後も精子の運動の状態は正常値より低くフーナーテストでも死滅していて自然妊娠は厳しい状態であると思われたが 以前に自然妊娠したこともあるので精子の条件が良ければ妊娠の可能性は上がると思われた。


治療 じっとしていても穏痛(じわじわした痛み) 足の冷え 肩こりがあり、腰痛の治療と足腰を温める治療をした。腰を支えるためには腹筋も必要であり下腹部にも鍼をした。三か月後のAIHの際 洗浄前でも運動率が倍に上がり 洗浄後でも精子が著しく改善がみられ、妻の妊娠に至った。

 三か月経過後  洗浄前  洗浄後  正常値
 運動精子  2100万  7200万  1000万以上
 運動率  22.1  75.0  50%以上
 直進率  7.4  61.5  25%以上

19. 2人目不妊(未検査)の妊娠例

36歳 1産 病院通院歴1年

201012

来院のきっかけ:七年前に自然妊娠して分娩した。

産後二年経ってから 自分たちなりに妊活を始めた。 生理周期や基礎体温は問題ないが なかなか妊娠しないため 近くの産婦人科で超音波検査のみを行い 数回排卵誘発剤も使う。特に子宮や卵巣などの詳しい検査 ホルモン値の検査はしていない。

一人産んでいるので大丈夫でしょうと病院でも言われ、本人たちもそう思っていたが、結果がなかなか出ないため 体質の問題かと思い当院に来院する。

症状:首や肩のこり 生理前におっぱいの張りがある。まだ乳汁が少し出ることがある。

方針:乳汁の分泌が見られること 基礎体温が良いにも関わらず七年間も妊娠しないことから 卵管閉塞や高プロラクチン血症なども考えられるので まずは専門医の受診をすすめる

経過:一診: 本人には念のため専門医でホルモン値や子宮 卵巣の検査をしておくことをお勧めしました。 肩こりの施術をして終了しました。

二診: 3週間後再来院 左右卵管が狭窄しており造影剤を通したところ開通したとのことでした。

高プロラクチン血症もあり薬を処方されたとのこと。夫の精子も運動率が低かったとのこと。

血液検査の結果 排卵誘発剤も使いましょうとのことで飲み始めている。

三診~七診: 週一のペースで来てもらい 六診目でタイミングで妊娠発覚 七診 約三か月で終了した。

まとめ:結局は卵管閉塞が一番の原因でした。たとえ妊娠や分娩の既往があったとしても二年以上妊娠しない場合は きちんと精査できる不妊症の専門医を受診することをお勧めします。このケースも早めに専門医を受けていれば上の子との年の差はなかったかと思われますが、七歳上の子はきっとお母さんのお手伝いもしてくれることでしょう。

18. 気持ちと体が落ち込んだ方の妊娠例.1

38歳 1産 結婚8年 病院での治療2年

20200617

来院のきっかけ:結婚して一年以内に妊娠 出産したが その後四年間妊娠しなかったので不妊専門A病院に相談した際にAMH0.2と言われた。

その三か月後にセカンドオピニオンで別のB病院受診した際にはAMH0.1と言われたので そのままそこで体外受精したが結果は出なかった。

その後から生理不順気味になった。卵巣年齢は閉経間近と言われてから落ち込みやすくそのことばかり考えてしまう。現在は基礎体温見ながら自分でタイミング。二相性だが低温期が短い。時々排卵チェックのため病院に通う。

症状: 気持ちが落ち込みやすい くよくよしやすい 熟眠感がない 寝つきが悪い 

方針:卵巣年齢(抗ミューラーホルモン値)は確かに低いが そのほかの女性ホルモン値には特に問題なく、高プロラクチン血症や甲状腺機能、子宮 卵巣も特に問題となるものは見当たらない。

生理周期が乱れていたのと 軽度のPMS 、気持ちの落ち込みがあるので その改善を目的に施術していく。

経過:本人の体の不調に対して対応していくことから始めました。一番気になるのは生理周期が短くなったのでこのまま生理が上がってしまうのでは、という不安と そのために考えてしまい 寝付けず 寝ても多夢で 朝の覚醒もすっきりとせず 午前中までは集中力に欠けるとのことでした。

現時点でFSHも上がってないのでAMHの数値にこだわる必要はないことと きちんと睡眠取って体を休ませる 日中活動してON-OFFのメリハリをつけることが自律神経 ひいては基礎体温の安定につながるといいことをお話しました。

鍼を受けた後は 肩こりも楽になり 夢も見ずにぐっすり眠れるようになりましたが 今度は日中に時間ができるとそのことばかり考えてしまうとのことでした。普段より猫背で肩に力が入り 視線を落とし 呼吸も浅いので 姿勢を正すストレッチや散歩など自分で無理なくできることをしていってもらいました。仕事も再開しました。

基礎体温はもともと二相性ではありましたが 少し高低差にメリハリも出て来ました。 24日周期から時に27-28日周期も見られるようになりました。

約一年間の当院の通院を経て タイミングで妊娠できました。

考察 まとめ: AMHは確かに低かったが、採卵の際には複数個育っていたこと。その後もたまに産婦人科にチェックしに行くと卵胞は毎回見えていたこと。

何よりFSHには問題なかったこと。まだ30代であること。妊娠の可能性が残されていることを本人にもお伝えしていきました。

なるべく気持ちも体も楽になるように話をお聞きしたり 体のコリや痛みにその都度対応していきました。環境の変化(仕事の再開 上の子の入学など)で忙しくも充実していた頃に妊娠となりました。

この症例からは 数値にとらわれすぎて考えすぎて気持ちと体が萎縮した状態から抜け出せたことで妊娠できた例

 

17.三回続けて流産後の妊娠例

39歳 3妊 結婚4年 病院での治療3年

来院時 まだ薬の影響あり101130

施術三か月経過

六か月後 妊娠

来院のきっかけ:2年間で3回心拍確認できずに流産した。その後に不妊専門病院へ通院し子宮と卵巣 ホルモン値の検査したところ卵巣が多嚢胞気味であり やや排卵しづらい傾向にあるものの問題はない。排卵誘発剤を使ったところ ひどい頭痛に毎回見舞われた。

病院で不育症の検査と体外受精を勧められたが、薬を使用することへの拒否感があり 体外受精はしないことを夫婦で話し合った。病院へは排卵チェックに通いタイミングかAIHをすることにした。他の方法もないかとネットで調べて当院に来院する。

症状: 排卵誘発剤使用時は頭痛がある 高温時におっぱいが張る 生理痛  冷え

方針: 排卵しずらい原因としてご本人様の多嚢胞性卵巣気味(ただし血液検査の数値的には正常範囲の上限)があり、さらにBMIも高めであり 煙草も吸っており 食生活にも問題があるので 日常生活の運動や食事をコントロールしてもらうことにしました。また生理周期によって異なる症状がでていたので それらが緩和するようにツボを選びました。

経過・結果: 基礎体温は二相性だが、高温がガタガタと安定しない黄体機能不全型 東洋医学的には気血両虚 脾腎陰不足。各周期に症状がでるので毎週来てもらい施術しました。その間基礎体温は安定してきました。また運動で体が引き締まり、冷えの範囲も減りました。六か月経過時に帯下検査で分泌不足指摘され 久しぶりに排卵誘発剤を使用してAIH したところ 妊娠となりました。七か月通院 計24回の通院で妊娠判定

 

まとめ:体質を改善することで妊娠できた例。

自分でできることをしてもらい また生理周期の各不快症状が出なくなったことで久しぶりに排卵誘発剤使用しても頭痛の症状はありませんでした。この症例はたまたま体質改善の効果が出てきた時期と誘発剤で一押ししてもらって妊娠できたと考えられます。

この症例は11年以上前のものであり 現在ほど検査や治療法は確立されていませんでした。そしてこのご夫婦は検査を受けていなかったので今までの流産の原因は不明のままでした。しかし妊娠、元気なお子様を授かってますので 免疫や染色体の異常はなかった症例と考えられます。

16 不育症診断(夫リンパクロス陽性)を受けた方の妊娠例

35歳 0妊 結婚5年 病院での治療3年

五回目の移植後の基礎体温
20120524

来院のきっかけ: 夫の精子の数が少ないため病院で顕微受精を開始する。 
比較的良い受精卵は取れるものの移植しても妊娠の反応がなかった。
不育症検査を医師から勧められている。
もともと興味のあった鍼灸を受けてみたいと来院する。
 
症状: 手足の冷え 軽度のPMS 肩こり
 
方針: 衝任固摂(妊娠継続を目的とする) 活血化瘀(血の停滞と凝血を改善する)のツボをメインに行いました夫とのリンパクロスマッチで異常が発覚した時からアレルギーの時によく使う膈兪(血会)も追加しました。このような免疫に関係するものは時間がかかることはお伝えしました。
 
経過・結果: 元々生理周期や基礎体温には問題なく、軽度のPMSや冷えに関しては数回で改善が見られました。移植の際には低温期に頻回に来ていただく他は週に一度に来ていただきました。
当院に来てからの移植一回目で8週で流産しました。
その際に不育症検査したところ夫とのリンパクロスマッチで+と出たので 免疫抑制剤を使い始めてから 化学的流産2X  流産1を経て 五回目の移植で妊娠継続して分娩まで至りました。
 
まとめ: 
ご本人様としては何度も妊娠継続できず 焦りや悲しさや悔しい思いもあったでしょうが 鍼治療をしてからは毎回着床はするということを前向きにとらえ、運動を提案したり 気分転換の趣味をご自分で工夫したりと 治療のモチベーションを保つように工夫をいたしました。残り一個で妊娠を継続できて二人で大喜びしたことが忘れられません。
 

15.リラックスできるよう体を整えて妊娠した例

32歳 1妊  結婚3年 病院での治療3年

200819

来院のきっかけ:  結婚してすぐ婦人科で調べてもらったところ 甲状腺機能低下症が見つかり、薬を処方されている。その後人工授精で一度妊娠するが流産してしまう。若いころからあった冷えや肩こり 体のむくみも気になるので当院に来院する。

残業やノルマが多いストレスフルな職場から 妊活のためパートに転職したばかり。鍼も初めて少し怖い

随伴症状:  肩こり 冷え むくみ 歯ぎしりをして朝顎が痛いときがある 夢をよく見て寝た気がしない 生理の時に頭痛

方針:  本人が感じている症状を緩和する。睡眠の質を良くしてリラックスする状態を保てるようにする。

経過:  一診 上半身全体の緊張をとるように かつ 鍼の数を少なく施術しました。

二診~四診 少しずつ鍼にも慣れたところで 吸角 お灸を加えていきました。

むくみの訴えはなくなりました。

高温期のベースが36.6℃だったのが 36.8℃になってきました。 肩こりとイライラ 夜間の夢が多く途中で起きてしまうとそのあとが眠れない という訴えでしたので 肩や背中の緊張をとるようにしていきました。

五診~七診 手足の冷えはかなり減ってきており 訴えもなくなってきました。肩こりも忙しいときにはやはり元に戻ってしまうのですが2~3日は気にせず働けるようにはなった。鍼を受けた当日~一日あたりは割と眠れている。と少しずつ症状の改善が見られてきた矢先、AIHで妊娠。

結果:   生理周期2クール 計9回の施術で妊娠

まとめ:  お体を見せていただくと、特に上半身および首の緊張が強かった。

パソコンを使う際、猫背となり集中して作業して座りっぱなしとのこと。そのためか肩や首のこりが強いうえ 下半身の血流が良くないようでふくらはぎにむくみが見られていました。

手足の冷えを感じていましたが 実際触ってみるとそれほどでもなかったのは、冷えているのではなく交感神経優位のため毛細血管の攣縮(れんしゅく)しやすいタイプと判断しました。

現在歯科医に奥歯が削れているのでマウスピースすすめられている。食いしばりも顎や首 肩のコリを生んでしまう。さらに多夢と関係も考えられました。

また 仕事で緊張している時間が長かった経過があり、月末はいつも忙しかったのを体が覚えているようで その時期は家でくつろげない、毎日約七時間は睡眠時間は確保できているが、途中で目覚めてしまう リアルな夢をみて寝た気がしない 朝起きるのが辛い 疲れが取れない という症状を強く訴えてきていました。

以上のことから 動かないことによる血行の不良からの様々な症状 および精神的緊張もあり リラックスできてない状態が続いていると判断し、鍼に対しても緊張感が強かったので 辛いと自覚している症状をとるようにしていきましたところ 妊娠に至りました。

 

14.体に熱と冷えが混在している方の妊娠例

32歳 0妊 結婚5年 病院での治療2年

11426

来院のきっかけ: 二年間ほど排卵誘発剤と黄体ホルモン補充しながらAIHしていたが 内膜が薄くなってきた。体外受精のため転院、その際鍼も試してしてみようと思い 当院来院。

随伴症状:手の甲や首にアトピー(保湿剤のみで対応) 手足の冷え特に指先。 寝付けず頻回に覚醒する。鼻炎・鼻水が良く出る。

方針:腹部や手足の末端が冷えているが 首や手の甲は発赤しており乾燥性のアトピーがある(熱)ことなどから 熱と冷えがまばらに混在している印象。基礎体温は二相性だが高低差は少ない。

以上のことから 熱のバランスをとるようにする。

また 舌の苔の状態と食生活の聞き取りから、そしてアトピーやアレルギーなどは食事因子に問題がありましたので特に甘いものを控えてもらうことにしました。

経過:アトピーは 食事の内容が乱れたりすると悪化することもありましたが、手の甲から色もアトピーも薄くなってきていました。
手の冷えは大きな変化は感じてもらえませんでしたが足の冷えは改善してきた自覚がありました。
鍼後は夜も良く眠れるようになったと話されました。本人の訴えにはありませんでしたが肩こりにもアプローチしていったことで頭痛は訴えはなくなり 鼻の症状も軽減していきました。

施術後2クール目で基礎体温に高低のメリハリが出てきました。
初めての体外受精で妊娠。


結果: 3クール 目のIVF-ETで妊娠


まとめ:妊娠自体は体外受精の効果も出たのであろうと思いますが、基礎体温がきれいな二相性になった頃に体外受精したのも良いタイミングであったと考えます。

睡眠が良質なものになつて活動と休養のメリハリができると、自然と自律神経が整うことにつながると推測されます。
この例の方のアレルギーは東洋医学でいう「お血」状態で 食事 運動とともに施術を加えていきました。期間が短いので大きな改善は見られませんでしたが 本来の目的である妊娠に至ったので結果オーライでした。その後はつわり時の食事についてアドバイスしていきました。 

13.不育症診断(抗精子抗体+)を受けた方の妊娠例(夫婦での施術)

42歳 0妊 結婚6年 病院での治療3年

20100417

来院のきっかけ:結婚して三年間子供ができなかった。原因の一つである筋腫を手術して取った。タイミングとAIHをするが その後も二年間妊娠できないので不妊専門病院受診する。二回体外受精をするが化学的流産2回。精査すると抗精子抗体+の結果がでた。今後は少し間をおいて採卵予定。

随伴症状: 肩と背中のこり 手足の冷え 腰痛 心配すると眠れなくなる。平背(ストレートバック)でやせ型

経過:当院で施術開始してすぐの検査で夫の抗精子抗体が発覚しました。また 夫リンパクロスマッチでも陽性反応が出ました。

夫も慢性の腰痛があるとのことで夫婦で施術を受けました。

採卵ー移植の期間も定期的に夫婦で来てもらいました。当初夫の精子は数は問題ないが 運動率と直進率が低かったのですが(処理して正常値にはなった) 約半年ほぼ毎週腰痛治療のために来てもらっていたところ 精子の処理をせずとも運動 直進率は正常値になっていました。

結果: 8クール IVF-ET妊娠

まとめ:ご本人様は医師から排卵時の帯下(おりもの)が少ないとも指摘されていたので 特に仙骨周囲の血行の改善を促すようにしました。

ストレートバックがひどく、常時背中の張りが強い状態と 筋肉の柔軟性がなかったのでストレッチなどの運動も始めてもらいました。

自宅でお灸もしていただきました。

当初 冷えやコリ不眠も、鍼して2日間くらいしか良い状態が続かなかったのが 一週間持続または気にならなくなったと話され 

また季節も温かくなった頃の採卵ー移植で妊娠できました。

夫の精子のコンデイションが良くないため、夫の治療も同時に行いました。

夫は腰痛 疲れやすい 目の疲れなど 虚証(体力がなく冷えやすい状態)であり また仕事上のストレスを抱えてあまり眠れないでいました。

これらの症状緩和と 特に生殖器にも関わる腰の治療をメインとしました。

抗精子抗体+といえども 一項目に引っかかる程度であるのも幸いしたと思われます。二人の体力のレベルアップと 体質(冷え性の解消)の改善で 妊娠できた例。

 

 

12.不育症診断(血液凝固異常)を受けた方の妊娠例

37歳 3妊  結婚6年 病院での治療3年

151027

来院のきっかけ: 結婚して三年目に自然妊娠するが流産。一年後に二度目の妊娠をするが再び流産。その際に血液検査で不育症指摘され(血液凝固系異常)、次回妊娠の際は薬を使うようにいわれている。本人は早く子供が欲しいのと上記のこともあり 約半年後に不妊専門の病院を受診して治療を受けるつもりであるが その前に体質改善したいと ネットで調べて来院する。 

小さい筋腫があるのと 橋本病疑いではあるが内服せず様子見ている 生理周期は35-40日。基礎体温は低温期が長く高温期が山形になるタイプ。

随伴症状: 肩こり 冷え やせ型 ストレートバック 

経過; 血行を改善し肩こりや冷えなどの症状を緩和を図り、運動も取り入れてもらいました。当院に通って四か月で自然妊娠したが8週で流産。原因は染色体異常でありました。

その二か月後より体外受精をして多数凍結できました。 しばらく病院での治療を休んだのち 初めての移植で妊娠しました。妊娠後は何度か出血のため入院するが 無事分娩する。

結果: 当院受診~20クールで妊娠

まとめ: この方の場合は基礎体温からみると 生殖器系の血行不良(生理周期の遅延) 肩こりや背中のコリがストレスとなっていること(本人はそれほど苦とは思ってなかった)もあり全体の血行を促進するようにしていきました。

ストレートバック(脊柱に前後のカーブがない状態)自体が不妊の原因ではないものの、脊柱の動きが悪いとそこから出ている神経や血管の反応が鈍くなることがあります。

本人の仕事もほぼ立っぱなしであまり動かず 筋肉量も少なく伸縮もスムーズではないので過剰な運動ではすぐ筋肉痛などを起こしやすくなります。

特に腰と仙骨付近の動きが悪かったので寝ながらできる運動をしてもらいました。その運動は入院中安静にしてももできるものであったので 腰痛予防や 肩こりの悪化防止には役立ててもらえました。

当院では この例も含め筋肉(量や運動量)と血液凝固との関連があるのではと検討しています。しかし施術後の血液凝固系のデータが揃わないので当院の治療がどこまで関与できたかははっきりしないのでは残念です。それでも経験上言えることは やはり程よい筋肉量と運動は必要と感じています。

11.基礎体温が二相性に変化して妊娠した例

36歳 1産  結婚8年 病院での治療2年 

来院前

施術開始

二相性になり始めている

来院のきっかけ: 結婚前より生理不順であったが一人目は自然妊娠して分娩する。その後6年間妊娠しないので不妊専門医受診するとAMHが高く多のう胞性卵巣指摘された。

  排卵誘発剤を使用してAIHを試みるも1回化学的流産したのみ。

  今後体外も視野に入れており、ネットで鍼が良いと調べ来院する。

  基礎体温は排卵誘発剤と高温期に黄体ホルモン剤使用中でもほぼ一相性である。

  当院来院~生理周期: 7クールで IVF-ET妊娠

 随伴症状:足先の冷え

   経過:当院来院してから3回AIHしたがいずれも妊娠反応はなかった。

  しかし基礎体温は少しずつ二相性(体温の高低差が0.3-0.6℃)が出てきた。  初めての体外受精で複数個凍結し 二回目の移植で妊娠した。

 まとめ: 薬の影響か、元々の卵巣機能の影響かは不明ではあるが、  基礎体温は一相性に近い状態であったので 低温期と高温期でツボ変えて行うようにしていくとメリハリが出てきた。

  採卵の際に心配された卵巣刺激症候群もなく順調に移植までできたことを考えると 鍼灸の効果が少なからずあったかと思う。 

  また経産婦さんであることや治療経過で基礎体温が改善傾向にあることから自然妊娠もあり得るのではとも思えたが 夫婦の希望もあり体外をして妊娠、分娩に至る。  実際その二年後に三人目を自然妊娠したとの報告も受けたので、やはり自然妊娠できるまでに回復はしていた可能性がある。

※すべての方が鍼灸だけで二相性になれるというわけではありません。

10.基礎体温が整って妊娠に至った例

29歳 0妊 結婚一年 病院での不妊治療半年

来院時の基礎体温

施術中の基礎体温(妊娠)

来院のきっかけ: 近所の婦人科で検査して

・子宮筋腫~ 妊娠には問題ない程度 

・高プロラクチン血症~内服して正常値になっている

・卵管はやや詰まり気味~卵管造影で細いが一応通っている 

・フーナーテストでは粘液が少ない

と言われた。

今はタイミングで治療しているが ステップアップする前に何とかしたいと思い 来院する。

随伴症状: 生理痛 経血量が多い  

施術・経過: 当院来院~生理周期2クールで タイミングで妊娠

結果: まずは基礎体温を二相性にするように生理周期に合わせ 鍼をしていきました。施術を始めてからの一回目の生理痛の薬の量が減ったと報告していただけました。

治療前の基礎体温は二相性が曖昧な印象でしたが 治療後はきれいな二相性になっておりそのまま妊娠となりました。

考察 病名は多くありましたが どれも不妊の大きな原因とはいえず 各周期に合わせて子宮や卵巣の血行改善をしていくとともに 血の質を良くするよう鍼をしていき結果を得られた症例。

 

 

9.自律神経の症状(汗のコントロールができない)が改善して妊娠した例

35歳 0妊 結婚 8年 病院での不妊治療 5年

症状 分布図

 

来院のきっかけ: 結婚後三年経過しても子供ができない。

近医を受診して高プロラクチン血症といわれ内服開始してタイミングやAIHをしていた。

さらに三年経っても妊娠に至らず不妊専門医に転院した。

精子のコンディションが良くないのと 本人AMHも0.8と低いため 体外受精をすることになる。当院に通院していた知人に紹介され 来院する

随伴症状: 緊張や運動すると 顔や頭にだらだらと流れるくらいの汗をかく、手足先、腹部 背中~腰は冷える。 

全身にむくみあり(自覚はなし)。 

季節によってアトピーや鼻炎 喘息が出る。

施術・経過: 体外受精のスケジュールに沿って来院していただきました。

ピルでFSHの上昇を抑えていたので 来院してから採卵までは少し時間がかかりました。

その間お灸も使用しながら 体の冷えを取り、下半身の血流を良くするようなツボを選択していきました。

 また同時に この方特有の顔や頭の発汗が多くなることにもアプローチしていきました。これらの症状には

・首や肩の凝りをほぐす 

・首から背部にかけてのむくみを取るようにする、

・上に上がった熱を下に下げるようにするようにツボをえらびました。

体が軽いと自覚できている時期は季節の鼻炎などのアレルギー症状も軽度で済みました。

 一度目の採卵で三個取れ 三個とも受精。二度目の移植で妊娠し分娩までいたりました。 

結果: 七クール IVF-ET妊娠

 考察: 卵巣年齢は高い(30代後半から40代相当)ですが 実年齢は若いのと 多のう胞や嚢腫などの卵巣の疾患はなく 高プロラクチン血症も内服でコントロールされていましたのでこちらは問題視はしていません。採卵に関しては下肢の循環と冷えを良くしていくように働きかけました。

 汗の症状だけに注目して施術しているように見えますが これらは自律神経系に関わる症状です。生理周期や排卵も自律神経が関わります。

この方の特徴は精神的ストレスに弱く 緊張が強いタイプです。そのため自律神経も乱れやすい状態でした。

運動で発汗するのは当然ではありますが本来なら全身にかくべきなのに 頭や顔など上部のみでそして精神的なことが絡んでくると手足に著明に発汗してそのあと手足が冷えてしまいます。状態からみて 上に熱があり 全身に水が溜まって排出されないでいる状態の上、冷えていますので それを改善するようにアプローチしました。

全身の水や熱のバランスが取れて体調を整え 結果に結びついた例。

8. 甲状腺と胃腸の症状が緩和して妊娠に至った例

35歳 1妊1産 結婚14年 病院での不妊治療4年

来院のきっかけ: 第一子分娩から10年以上妊娠しないため 不妊専門病院で検査してみたが特に問題なかった。

七回の体外受精で化学的流産と子宮外妊娠を経験する。
夫の転勤に伴い病院も転院。以前より鍼灸も受けており、近所である当院に来院する。
 

施術・経過: お体を見せていただくと消化器系の働きが弱くその症状にアプローチしました。

転院した病院の検査で橋本病が発覚して内服を開始したことをきっかけに首を見たところ、首のコリが強く特に頸椎間の動きの悪いところがあり そこが甲状腺に影響しているものと推測し施術しました。当院で施術して三か月後の移植で妊娠 分娩へ至りました 

結果: 当院来院~生理周期 4クールで IVF-ET 

考察: 当初は胃腸の不調が主訴であったため そちらの施術を主にしていました。子宮や卵巣だけを元気にすればよい というのではなく まず全身が健康でないと妊娠する余力がないと当院では考えています。そのためには食事は大事で それを消化吸収してエネルギーに変える胃腸系からまず行っていました。

橋本病で内服を始めたとのことで首を改めて見せていただくと首の背部側にコリがあり よく聞くと首コリも以前からあるがもう慣れていたとので特に気にならなかったとのこと。橋本病は 不妊の間接的な要因と考えられております。首の調整をすると 甲状腺はじめ卵巣刺激ホルモンなどの脳下垂体由来のホルモン調整がうまくいく症例も多く見ていましたので背中や手のツボを使い首を緩めるようにしました。今回は妊娠という結果も得られたのでツボの効果も見られたのではと考えます。また第一子の時に辛かったつわりもほとんどなく経過できたのも 胃腸のツボが有効ではあったものと考えています。

ただ施術者としては 訴えが無くても全身をもう少しくまなく見ておくべきであったと反省し戒める例でもありました。 

 

7. 多のう胞性卵巣  全身のむくみの改善で妊娠した例

28歳 0妊 結婚1年 病院での治療3か月

来院のきっかけ: 22歳に生理が三か月来なくなり 病院でピルを処方された。この時にPCOS(多のう胞性卵巣)気味と言われた。

その後も生理不順になるたびに内服していた。

結婚を機に 不妊専門病院で検査したところ 抗ミュラーホルモン値は高め  他のホルモン値は問題はなく、まずは誘発剤を使用してタイミングで半年間様子見るとのことになった。 体質改善したいと希望し 知人からの紹介で当院受診

随伴症状: 特に下半身のむくみ 高温期に寝汗が多い 頭痛 肩こり 足先の冷え

施術・経過: 一診 全身 特に背中と下半身のむくみが強く また左首周囲の湿疹も見られました。右股関節の動きも悪いためそれらを改善する施術を行いました。

二診以降~ 当院での鍼の施術は全身のむくみを改善するのを主にしました。また足のむくみを楽にするような運動や股関節の調整を行いました。冷えを取るのと 仕事の関係で来院が難しい期間は 自己灸で対応してもらうようにしました。時に吸角(吸い玉)を使用しました。 

その間病院では 薬や投与方法を変えながら 卵巣を過剰刺激しないような誘発を続けていました。卵巣も腫れることや無排卵もありその都度薬のコントロールや腫れた卵巣を吸引していきました。 

2クール目から肩こりや頭痛の上半身の症状はなくなりました。下半身のむくみは軽減しつつありました。しかし黄体ホルモン剤を飲むとむくみやすいので 高温期には必ず来ていただくようにしました。 低温期には腹部と股関節のツボを使い 下半身の水の流れを良くするようにしました。 それに伴い夜間の寝汗のかいまた5クール目から夫とともに水泳や球技などの運動を始められるようになったころから 基礎体温の高温への移行がスムーズになりました。

結果:  当院来院~生理周期9クール タイミングで妊娠 

考察 多のう胞性卵巣は男性ホルモン値や抗インシュリン値が関わっている場合も多いのですが この方は数値的には問題は見当たらず治療の薬は使っていませんでした。

体質的には下半身の水と血流が悪いタイプです。このタイプで多のう胞性卵巣の方は 卵胞内にも水が溜まって空胞ができやすかったり、卵巣自体が腫れてOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になりやすい傾向があります。実際排卵誘発の際には尿が出づらくなったり、また腹水も軽度たまることもありました。

そのため自覚症状の一つであるむくみを取るようにしました。その際に全身の筋肉を動かすことはとても重要で、吸角を使ったり、軽度の加圧運動を行ってもらったり、お灸で温めたりしました。そうしますと全身の循環が改善され 自然と肩こりや、それに伴う頭痛も無くなってきました。ご自分で運動を始められたことも大きな要因です。

これらの不快な症状の改善傾向が見られた時に妊娠できました。

 

6.PMSの治療だけで妊娠した症例
 

29歳 0妊 未婚 病院でのPMS治療9年

四か月前の基礎体温 

来院のきっかけ 20歳頃からPMS(月経前緊張症候群)で ピルを約四年間飲んでいた。

       27歳で右卵巣嚢腫核出術をした後 ピルはやめて漢方薬を飲んでいた。

       29歳から生理周期が4045日に伸びてきたので検査をする予定。

現在漢方はやめて黄体ホルモンで生理を調整している。 このままでは妊娠しづらいのではと心配しており、三か月後に結婚式を控えてもいるので 体調を整える目的で来院

 

随伴症状 ほてり だるさ むくみ 情緒不安定(落ち込みやすい) 生理周期が長い ニキビ 頭痛 おっぱいが張る。 肩こり

施術・経過 一診~三診: 全身を見せていただくと 体の症状として 特に首~肩のコリが強いのでまずはそこを緩めるようにしました。手足のほてりと冷えが混在している状態なので自律神経を整える鍼をしたところ薬では反応がなかった基礎体温が上がってきました。 

四診~ 病院の検査結果では 高プロラクチン血症  多のう胞性卵巣疑い 高テストステロン症と診断されましたが より足首のツボにお灸を増やして冷えを取るようにしました。

八診目(結婚式二週間前に)妊娠判定+。 その後 妊娠中もフォローして分娩まで至りました。

結果 来院~ 二クール タイミングで妊娠 

考察 いわゆる 肩こりは自覚の有無にかかわらず「緊張」状態を引き起こすので この症状を緩めると 「リラックス」できます。緊張と緩和 興奮と鎮静と 相対する二つのバランスをとるようにしてみると 手の冷えと汗は減ってきました。また、気持ちが落ち込むと肩を落として呼吸が浅くなる傾向があります。 体が楽になると呼吸も安定してきます。おっぱいが張りやすいのも(高プロラクチン血症も関係することもあり) 肩と背中の緊張が取れてくると楽になります。頭痛なども肩こり由来のものでしたので、施術するたびに訴えは少なくなってきていました。

足の冷えが強いのは 全身に回っている熱が下に行けない状態であると考えます。それでほてりは感じるものの冷えている状態で、 更に足首周辺は子宮や卵巣に関わるツボが多く お灸で温めていました。特に足のむくみはふくらはぎの運動もしてもらい減っていってました。

妊娠が目的ではなかったのですが、症状を改善するようにしていくと 妊娠に結び付いた例。 

 

 

施術中と基礎体温

5.低体温が改善して 妊娠に至った例

来院前の基礎体温

来院のきっかけ 長年 特に避妊もせず夫と付き合っていたが、結婚後も妊娠はしなかった。

不妊専門医受診したところ子宮や卵巣には問題はないとのこと。妊娠していない経過も長いため体外を勧められた。

1回目のIVF(体外受精)で10個ほど取れるが凍結できたのは一個でET(移植)で結果は出なかった。

元々基礎体温のベースが低いことが気になっていたが、医師からは二相性なので問題ないと言われていたのも疑問に思っていた。足の冷えも改善したいのと 二回目のIVFに向けて 当院来院。

随伴症状 下半身の冷え感。生理が実質2日で終わる。鼻炎

施術・経過 基礎体温の低温ベースを36.0℃以上にする。下半身の冷えを取る。生活習慣を見直すことを目標設定しました。

次回の採卵は3カ月後のため、その間はじっくり基礎代謝をあげる治療をして、更に舌の状態から内臓の冷え(甘味の取り過ぎ)も認められたため、間食と甘味を制限してもらいました。来院時の基礎体温をみると低温期には35℃台まで下がることがありましたが二か月後より36.0℃を下回ることは無くなりました。

二回目の採卵は10個で 凍結は一個のみでしたが移植で妊娠できました。

結果 当院来院~生理周期 7クール IVF-ETで妊娠

考察:  36.0℃を下回ると免疫機能も低下するため 受精卵の着床 維持がしずらいと推測しました。
実際、鼻炎などのアレルギー症状も低温期や体調不良の時に悪化しているとのこと。
ただこれらの症状は比較的軽症ではあったため 基礎体温が安定するとともに症状も少しずつ落ち着いてきていました。

冷えの原因の一因として食生活も関係する症例は多いです。沢山採卵できる割には凍結まで耐えられる受精卵が少ない場合、血糖値の変動が激しい食事の内容や取り方をしている方であることが多いです。
下肢の冷え感は自覚しているのですが実際触診してみても著明な冷えはない方であったので体内からの改善を目指し消化器系のツボを選択し 食事の改善(甘味の制限)で効果があった例です。

※すべての低体温症が冷えや不妊の原因とは限らないことをご了承ください。

施術後は36.0℃を下回ることは無くなった。

4. 高プロラクチン血症と卵巣機能不全を乗り越え妊娠した症例

 

38歳 0妊 結婚6年 病院での不妊治療3

来院のきっかけ 結婚して五年間妊娠しなかったので 近医受診しAIHを半年間して一回化学的流産を経験する。

その後不妊専門病院での検査で高プロラクチン血症,子宮腺筋症と片方の卵巣からは排卵していないことが(AMH0.4 )判明し今後体外受精を試みる予定。

少しでも妊娠しやすい体になりたいと 来院する。

随伴症状 手足と臀部の冷え 肩こり 腰痛 むくみ

施術・経過 採卵時は毎回 平均3-4個できるが 受精するのは02個程度。移植では化学的流産2回  流産も一回経験する。

鍼灸では 下肢の血流を改善するようにして下肢の冷えとむくみをとることを第一の目標にしました。薬を使うことで胃腸症状も出てきたので それらの副作用を抑えるようにしました。鍼した後に便や尿の出が良くなった、むくみが減った、ムカムカが落ち着いたなどの言葉が聞かれました。

最後と思い臨んだ体外受精で妊娠、分娩まで至ることができました。

結果  当院来院~生理周期 35クールで IVF-ET妊娠

考察 年齢や卵巣の条件もあり鍼灸で自然に採卵できる数を増やすということは期待はできない状態で そこは薬に頼るしかありませんでした。ただせっかく取れた受精卵を着床させるのに内膜などの条件を良くするようにしていきました。 このような辛い状況ではありましたが 治療中の不快症状が緩和されたので三年近く不妊治療を続けられた との本人のお言葉をいただけました。

不妊治療の経過から 妊娠中のつわりの悪化を懸念し妊娠中も引き続き施術した。軽度のつわり(朝方のムカムカ程度)で済んで 順調な経過をすごしていただけたのも 鍼灸の効果があったのではないかと推測しています。

(2012/7例)

※症状 効果には個人差があります。

3.#上半身に熱がこもり下半身が冷えてむくんだ人の妊娠症例

34歳 0妊 結婚6年 病院での不妊治療6

来院時の体の状態

来院のきっかけ  10年前から内膜症で婦人科で内服を続けていた。

結婚してそのままタイミングとAIHを受けていたが一度も反応は見られなかった。

不妊専門医に転院した際に多のう胞性卵巣と言われたが 今後採卵の際に慎重に誘発することで 治療をしていくという説明を受けた。

妊娠しやすい体になりたいと思い、鍼灸が良いとネットで調べて来院する。

自覚症状  むくみやすい 足先の冷え 頭と顔がほてる。緊張時には上半身発汗止まらない

施術・経過 熱のバランスを整えるため 全身のコリを取って血流を良くするようにするのを目標にしました。 具体的には肩こり(本人は自覚無し)と下肢のむくみを取る施術をしていきました。足はお灸の他に運動もしてもらったところ施術3回目から足首が見え始めてきた。背中の吸角も行いより循環を促しました。 お腹の緊張は反り腰のためであるので 時々腰痛も訴えられたので座りながらできる運動も取り入れました。

体が軽くなってきた、足先も温かくなってきたと喜んでいた頃に 採卵のため排卵誘発剤を使うとまたほてりと発汗が強く出てきたので これらの症状をなるべく抑えるよう施術を継続しました。

結果  来院~生理周期9クール 2度目のIVF-ET妊娠

 考察  長年にわたる女性ホルモン剤の使用で ほてりや発汗などの自律神経症状がでていました。

この方の体の特徴として 座りっぱなしの仕事のせいで ふくらはぎや背中の筋肉が使われておらず 筋肉を使って回すはずの熱が回せず上にたまった状態であったためほてったりしていたようです。 また特に症状はないが股関節の動きもやや悪いため 動きを良くするツボも取り入れるとむくみや熱もかなり抑えられる効果も見られました。このように 全身を調整することで 副作用の症状を緩和させることで結果に結びついた例(2015/6例)

2.多のう胞性卵巣で血糖コントロール薬を飲んでいて妊娠した例 

 41歳 1妊 結婚3年 病院での不妊治療3年  体外受精で妊娠

来院のきっかけ 結婚前よりPCOS(多嚢胞性卵巣)指摘されておりAMH(抗ミュラーホルモン値)は2ケタ台の値。男性化(多毛)見られ、グリコランを処方されていた。

まもなく自然妊娠したが流産、その後タイミング,AIH(人工授精)でも妊娠しないためステップアップすることにした。

1回目のIVF(体外受精)で多数卵胞できたが凍結受精卵は1個だけで、ET(移植)をするが反応なし。近所の鍼灸院にも通っていたが不妊の専門的な相談を希望して当院に受診。


ストレスに弱く以前心療内科にもかかっていたことあり。夫の精子のコンディションも体調により変動あるため今後ICSI(顕微授精)予定

自覚症状 手足の冷え 低血圧症 便秘 多夢で熟眠感得られず覚醒も不良 

施術・経過 ・甘味をよく摂っていたので まずは減らすことから始めた。

来院時から糖尿時にも使う消化器系のツボも併用して まずは自覚症状の軽くするようにした。

・採卵周期には腹部~下半身のツボで血行を良くするよう施術をした。移植時は薬の影響でかなりむくむため 運動も推奨し、歩くのを頑張ってもらい 水の代謝を良くするようにした。

初回から施術後には良く眠れるようになった。施術後は体が軽い感じが続くと話される。

2回目のICSI後に再検したAMHも一桁まで下がり、採卵の際に使える卵子が多く取れるようになり、3回目は夫の精子のコンディションも良好で、良い受精卵を多数得られた時に 一度の化学的流産の後 二回目の移植で妊娠に至った。

結果  当院来院~生理周期12クール ICSI-ET妊娠

考察 多のう胞性卵巣は 男性ホルモンが由来のものと インシュリン由来のものとがあり またはこの二つが相関して起こることもある。または原因がはっきりしないものもある。この方の場合は混合型であるが 男性ホルモン系に鍼でアプローチすることはなかなか難しいが インシュリンの異常に関しては一定の効果がみられる。しかし何より食事のとり方や内容も同時にすすめないと 効果が表れるのが遅くなる。 

脾経(消化吸収に関する)ツボを使用して全身や内臓の代謝を良くするようにして妊娠に至った例。(2010/4例)  SYO-15

すべて

1.二人で通院して妊娠に至った例

35歳 未妊 結婚4年 病院での不妊治療2年 AIH 妊娠

症状の在るところ

来院のきっかけ 結婚して二年近く妊娠しないので近所の産婦人科受診した。

  排卵しずらいので薬で排卵させている。高温期が短い。医師からは不妊の原因は特にはなく、今後も排卵を手伝ってタイミングや人工授精でやっていくしかないといわれた。夫の精子の数や運動が少ないが 人工授精できる範囲と言われている。

自分では昔から悩まされていた冷えが原因ではないかと思い、元々鍼灸にも興味があったので 受けてみたいと思った。

  随伴症状 冷え性(手足 腹部) 肩こり 生理痛が強い

 施術・経過  週一回の通院

初回~3回 著明な手足の冷えが見られたため 鍼とお灸の組み合わせで 手足の冷えを取るようにした。また自宅でのお灸の仕方もお教えした。 

4回~ 冷えの改善が自覚できるようになってきた。当院に通ってから初めての生理で 痛みはあるものの薬は使わずやり過ごすことができた。

またこの間 夫の精子も不活発と指摘されたため ご主人にも来院してもらい、以前からの腰痛にアプローチしつつ下半身の血流の促進と冷えを緩和するようにお灸も併用した。 ご主人は当院での鍼灸治療二回で精子の運動率が34%から  51%までupした。

結果 生理三クール目のAIH で妊娠。

考察 当院で夫婦にアプローチして妊娠できた例。

生理痛や冷え などマイナートラブルはあるものの 妊娠できないほどの重症のものではなかった。

しかし妊娠にも日常生活を送る上でも リラックス(副交感神経優位)が必要と当院では考えている。

もしストレスを感じる要因があれば それが無自覚の緊張を生み出していることが推測され このご夫婦はそれぞれ冷えや生理痛と腰痛を自覚しており 妊娠とは直接は関係なさそうなその症状を緩和することによりストレスも減ったものと思われる、間接的にはなるが妊娠につながったものと判断している。 

(2007/6月例)  ※すべて冷えや腰痛が不妊の原因というわけではないことをご了承ください。